輪鼓装飾店がモダン路線を試みたのが、今から9年前のこと。まだガーデニングブームまっただ中のことでした。当時、名古屋でカフェが出来はじめの頃で、雑誌なんかを見て、東京のカフェのインテリアを参考にしながら、今のお店に改装をし、カフェもやっていました。
そして、時は流れガーデン業界では、シンプルモダンまっただ中!でもやっぱりなんか変。インテリア、建築、と続いてきた一連のモダンスタイルは見事にガーデンでねじ曲げられたスタイルになっちゃいましたね。白い壁にタイルか石を挟んでおいて、シルバーカラーのエクステリア商品と直線的なデザインをすればOK、みたいなペラペラな表面的な解釈だけが横行しちゃいました。
モダン建築の中での、お庭やエクステリアの役割は決してそんなものではないと思うんだけど、やっぱりガーデニングからモダンへの移行は荷が重すぎましたね。ほんとはかなりの重要な役割を課せられなきゃいけないんだけど、お庭やさん信用されてないもんね。建築設計士、工務店、インテリアコーディネーター各方面から。
モダンデザインは引く線一本に理由がいります。実用と意匠をかねた効率の良いデザインが必要です。そして、必然的に形作られる、そっけないシンプルな構造体を彩るものは、植栽なのです。
コルビュジェもミースもアアルトもカーンもバラガンも必要としていたのは、植栽orグリーンが醸し出す雰囲気だと思います。カタチなんかじゃない。あとは何にもいらない。だけど、それってすごくムズカしいんです。誤摩化せない。ホントそうそう出来るもんじゃないよ。難しいけど、それができるのは僕ら植木屋しかないでしょ。植栽の素人が、図鑑見て選んだ植栽じゃなくて、経験として植物と接してきた植木屋さんが頑張んないとね。今求められてるのは、ペラペラなデザインじゃなくて、生きた植栽による空気感なのだから。
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