名古屋市内の閑静な住宅街にある御宅です。以前からお庭のリフォームやメンテナンスをさせていただいています。当初から建物を引きたてる、統一感のある外構、お庭をご希望されていたのですが、植えてあった木の枝が、短く切りそろえて、仕立ててあり、なかなか素直な枝の伸び方をしてくれなかったので、健やかな状態になるのを待っていました。   途中一度木を植えたり、レンガ敷きのアプローチを石に張り替えたりのリフォームを経て、今回全面的なリフォームをさせていただくことになりました。   最初のリフォームからちょうど10年の月日が経ち、庭の木々も健やかな姿を取り戻しました。   お施主さんとの打ち合わせの中で、昨年行ったお家のリフォームでメインテーマにしたアールデコ調のクラシカルな洋館のイメージを外の空間にも取り入れたいということと、ファザードにゲートとアイアンの門扉を設けたいという御希望に沿って、大人っぽいシックな佇まいに似合う、洋館の外構と庭になるように考えました。
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    残すところ左官工事のみになった外観です。アンティークレンガの柱と特注の金物とで作った木製ゲートは8m以上の壮大なものです。このゲートによって、既存のカーポートはあまり気にならなくなり、敷地全体を広く見せることと、建物をより立派に見せることができました。
   アプローチの石敷きを駐車場の乗り入れのところにまで伸ばしてきた手法もワイドに見せつつ、奥行き感を強調させる景観づくりに一役買っています。
   赤レンガはイメージが限定されがちな素材ですが、誇張させずに建物に馴染ませる為に、その他に使用した石材は全て日本の石を用いて、日本の住宅に馴染む、クラシカルな洋風外構を実現しました。
   築20年以上経過した建物だからこそ、存在感がある天然素材だけで構成されたプランを受け入れることができるのだと思います。

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   今回の目玉はアールデコデザインのアイアンワークです。お客様のこだわりの部分でもあり、直前まで打ち合わせを重ねて出来上がった逸品です。普段から目にするアイアンの門扉やフェンスはアールヌーボーにインスパイアされたものが多く、少し主張しすぎる傾向があったので、以前からシンプルなデザインで、鉄のもつ重厚な質感が味わえるアイアンワークを実現したいと思っていました。非常に重量がありながら今回採用したヒンジがとても性能が良く、重みで下がることなく、スムーズな扉の開閉が出来ます。木枠に取り付けたアイアンのパーテーションも圧迫感を与えることなく、緑と馴染んでいます。
   
   まだ施工途中とはとても思えない、出来てから何年か経過したかのような出来映えになってきました。これが輪鼓装飾店のリフォームの真骨頂です。
   しかも今回の工事は、駐車場の洗い出し仕上、電気工事、アイアンの溶接以外の、解体から始まり、レンガ工事、木工事、石工事、植栽工事が自分たちの手によって仕上がったことに非常に意義を感じております。また一歩、理想とするクリエーター集団に近づいたのではないでしょうか?
   全てのことが簡単に済まされて、処理されてしまう時代です。でも時間を受け容れて、長年に渡って建物を含めた景観を熟成させていくこと、その土地に宿る空気を生み出していく為には、時代遅れの愚直で誠実な仕事でしか実現できないことだと思っています。